妻に贈る言葉 : 元気な産声が・・・

長～い、２日間だったね。
陣痛の痛みにうめく長女を見ているのが本当に辛かった。
背中を撫でてあげながら、何も言ってあげられない。
「もうちょっとの辛抱やで・・・」って声をかけるのが精一杯。
娘のゆがむ顔に何度も声が詰まりそうになる。
内心、『こんなに娘を苦しめるのなら、孫なんていらない』とさえ思ってしまう。
孫が生まれてくる前に娘がおかしくなってしまうのではないか・・・
そんな不安な気持ちにさえなった。

１９日午後８時。
分娩室からの元気な産声を聴いた瞬間。
目頭が熱くなった。
「赤ちゃんもおかあさんも元気ですよ」と看護婦さん。
喜びよりも安心感のほうが先にきた。
この２日間で、何度神に祈ったことだろう。
その祈りが通じた瞬間だった。
妻も泣いている。
その顔が泣き笑いになっていく。
気がついたら、朝からあんなに降っていた雨も上がっていた。
明日はきっと秋晴れになるだろう。